四つ折り

shimaaaadaのブログです。漫画、映画、食べ物、小説などについてつらつらと書いています

【小説】金魚繚乱(岡本かの子)

【粗筋】

崖下の金魚屋の息子、復一は崖上の豪邸に暮らす資産家の娘真佐子を恋い慕っていた。だが、自尊心が邪魔をして自らの気持ちを彼女に伝える事が出来ないまま、彼女は他の男と結婚してしまう。他人の妻となった真佐子への思いを軸に、復一は金魚作りに執心していく。真佐子を越える美しい金魚を求め、奔走する復一は、次第に人から畏れられ、また、復一自身も他者を疎み社会から孤立していく。

やがて月日が経ち、復一は自らの望んだ金魚を手に入れる。その金魚は、繁殖に失敗した堕魚の中から、復一の知らぬ間に生まれていたものだった。

【感想】

青空文庫でハマっていた岡本かの子作の一つ。

今まで20頁前後の掌編しか読んでいなかったのですが、これは160頁前後の短編。出てくる単語に読みがわからないものや意味が取れないものがかなりあって、読みながら五六回辞書引きました…電子書籍はクリック一つで辞書呼び出せるのが便利ですが、自分の頭の足りなさが顕になるのが情けないところですね。

でも、そうして読み切るかいのある面白さでした。

つまるところ、失恋をバネに芸術に没頭する男の一代記、なんですが、何でこんなに面白いんだろう……。真佐子へ素直に告白出来ずに厭味ったらしい手紙を送る下りとか鬱陶しすぎるのに何故か面白い。

最後に出てくる世にも美しい金魚の姿、見てみたいですね。

【小説】不動カリンは一切動ぜず (ハヤカワ文庫JA)

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【あらすじ】

全ての子どもが試験管の中で育てられ、妊娠出産は忌避されるようになった未来社会。

不動火輪(カリン)は親友の滝口兎譚(トタン)から愛の告白をされる。実はトタンは父親の妊娠出産によって産まれた子どもで、それを否定して生きてきたのをカリンとの出会いで救われていた。

カリンもトタンを愛していた。カリンもトタンへ気持ちを伝えようとするが、何故かその時2人は新興宗教から命を狙われてしまう。トタンは誘拐され、カリンはトタンを救うため不動明王と一体化する。

不動明王の力によって、カリンはトタンを取り戻す。

新興宗教が2人を狙った理由は2人が偶然新興宗教の教祖の遺体の在り処を知ってしまったからだった。

2人は元凶となった遺体の元へ向かう。遺体の傍でカリンは自分の母親と再開する。カリンの母親は自分の内側に籠り、世界を遮断するようになっていた。

不動明王から悟りを得ていたカリンは、自分の中に籠る母親を否定し、人は他者との関わりでしか生きていけないのだと訴える。トタンもカリンに同意する。

母親が世界を受け入れるのを見届けたカリンはトタンとともに元の町へ帰っていく。

【感想】

うー……………粗筋がまとめにくい。

わけわかんない粗筋になってしまいましたが、多分内容を一言で言えば

人工受精社会で恋をした少女2人が、社会を否定して破れていった大人たちに、社会を否定して一人になってもいいことないよと諭す、

だと思います。

視点が主人公側と新興宗教側の二点で入れ替わるのが話をまとめにくい理由かなあ…。

面白かったんですけど私の頭だと内容がうまくまとめられません。

【映画】イースタン・プロミス

アニメ鉄血のオルフェンズがマフィア映画扱いされてるのを見てマフィア映画に興味を持ったのでマフィア映画を見てみる、の二本目。

【あらすじ】

ある夜、ロンドンの病院に身元不明の妊婦が運び込まれる。妊婦は出産と同時に死亡した。出産に立ち会った助産師は、残された赤ん坊を彼女の遺族に届けるため、彼女の所持品から身元を探る。すると、彼女はまだ未成年のロシア人で、赤ん坊はマフィアのボスに犯されて出来た子どもだという事が分かった。ロシアンマフィアは助産師を殺そうと殺し屋を差し向ける。ところが、その殺し屋はロンドンの警察がロシアに送り込んだ潜入捜査官だった。彼は妊婦が残した赤ん坊がボスの犯罪の証拠になるとして助産師と赤ん坊を助ける。助産師は助けてくれた捜査官に心惹かれるが、捜査官は自分の正体を明かさず、助産師にキスをして去っていく。

【感想】

マフィア映画には苦手意識があるんですが、これは面白かった!何故かは分からないけど面白かった!!!

粗筋は色々端折ってますが、助産師を助ける潜入捜査官がとにかくカッコいい…カッコいいだけでなく切ない……!!

なんというか、潜入捜査官として働く内に、殺しに抵抗がなくなっているような、助産師のいる普通の世界に戻ることを諦めてしまったような、切なさがあります。

終わり方が少し物足りないんですけど、そこもまた良いのかなあと。

おすすめです。

【小説】魚舟・獣舟(上田早夕里)

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【概要】陸地の殆どが海に飲み込まれた未来の地球で、魚舟(うおぶね)獣舟(けものぶね)という異形の生物とともに暮らす人々の話が表題作のSF短編集。

【感想】

面白かった。とても面白かった。

解説によると、元は異形がテーマのアンソロジーに収録されたらしい魚舟獣舟なんですが、異形と人の繋がりを書いて、結果的に人間はどこまで人間なのか?って問いかけるラストになってるのが面白いですね。

で、その問いかけが収録された短編の殆どに当てはまるのがまた面白い。

人間と比較対象になるものも、幽霊や妖怪、人間が持つ思い出そのもの、自然環境、人工生命体等、身近なものから思いがけないものまであって、一気読みでした。作者の他作品も読みたいです。

【小説】好きと嫌いの間にシャンプーを置く

【あらすじ】

神戸でルームシェアをして暮らす三姉妹それぞれの恋を書いた短編集。

・好きと嫌いの間にシャンプーを置く

三姉妹の長女紗子は、既婚者や彼氏持ちなどに不毛な恋をしては、妙子を好きだという男友達のシュウに、失恋を愚痴りにいくという奇妙な関係を続けていた。ところがある日、妙子の好きな先輩が独身になり、妙子に交際を申し込んだ。紗子は不毛な恋が終わったことをシュウに伝えにいく。だが、伝える直前、不毛な恋を続けていたのは、それをシュウに聞いてもらうためだったと気づき、シュウの気持ちを受け入れる。

・恋にクーリングオフがあればいいのに。

次女朝美は顔で男を好きになってはひどいフラレ方をすることを繰り返していた。今の彼氏の亮介も同様で、ちゃんとした付き合いではなく、セフレのような扱いのまま二年が経っていた。ある時朝美は自分は本当に彼女なのか亮介に問い詰めて喧嘩になってしまう。もう元には戻れないと悲しむ朝美だったが、数日後、反省した亮介が朝美へ謝りちゃんとした交際を申し込む。

・嘘つきをシチューに混ぜれば

三女結衣は4年前の失恋から新しい恋が出来ずにいた。ある日、新しい仕事相手に恋の予感を覚えるが、同時に、失恋と向き合っていない自分にも気がついた。結衣は、過去恋人とデートした場所へ、自分の中で失恋が思い出になっているか確かめにいく。失恋の傷から立ち直っていることを確信した結衣は、新しい恋に踏み出すことにする。

【感想】

長女の話を読み終えた直後は、いまいちだなーと思ったのですが、三篇全部読み終えると、それぞれの話が繋がっていることに気づき、また、その繋げ方がとても上手で、いまいち…から読んで良かった!に変わりました。

話そのものは、特別大きな出来事や人物のない恋をの話でしたが、同時に書かれる姉妹三人それぞれのコンプレックスや優越感が巧みで途中から引き込まれました。

一時間前後で読める小説の中ではひさびさのヒットです。恋愛小説好きなら特に良いと思います。

自炊ログ

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ちまちまやってる自炊まとめです。

・油揚げと椎茸と小ねぎの卵とじ

・アスパラとアミエビのおひたし

・ほうれん草の胡麻和え

・椎茸と大根の中華煮込み

・かぼちゃの甘煮

・鳥モモのネギ塩焼き

・サメの竜田揚げ

【読書】八咫烏シリーズ玉依姫(著:阿部智里)

いつの間にか八咫烏シリーズと銘打たれてたシリーズの新刊。図書館で借りました。文庫で買うかは考え中。

人の姿と言葉を持った八咫烏たちの生きる山内という異世界が舞台の和風ファンタジー。

シリーズ一作目兼作者のデビュー作の烏に単は似合わないが良かったのでちまちま読んでます。

……が。

なんだろうこの巻が進めば進むほど出てくる「出すレーベル間違えてね?」感……。

ライトノベルヤングアダルト棚にあったらもっと人気の出るシリーズだと思うんだよなー。一般文芸だとちょっと軽い気がする。

といっても、売上は順調にのびてるみたいだし、来年が再来年にはアニメ化するだろう。多分。待ってます。