四つ折り

shimaaaadaのブログです。漫画、映画、食べ物、小説などについてつらつらと書いています

【小説】コリーニ事件

【概要】ホテルの一室で殺人事件が起きる。犯人のコリーニはその場で警察に通報し自首した。だが、コリーニは殺害は認めていながら動機を一切話さない。コリーニの弁護人は、何故彼が人を殺すに至ったのか調べ、コリーニと被害者の間にあったある接点を見つけ出す。

 

【感想】

図書館で借りました。発刊時、なんかベストセラーになってたよなーくらいの印象しかなかったのですが、面白かった。

ただ、この本、冒頭に「ドイツではこの小説が切っ掛けになり、法律が変わった、という宣伝(注釈?)」がついてて、ぶっちゃけそれを読むとドイツというお国柄から、大体結末が推測できてしまうという……。

 

面白かったのですが、普段自分が小説に求める「結末が想像できない!」とか「圧巻の人間ドラマ!」とかではなく、「どっかの国ではこんなことが起きてるのか、ふーむ」と実録系TVの外国トリビアを見て感心するような面白さだった。

 

作者の他の短編では心理面や人間ドラマが多いみたいなので、それを読んでみます。

【自伝】わたしは絶対許さない

図書館にてざっと読みました。性犯罪被害にあった方の自伝。

内容も重たく衝撃的ですが、その内容をブログのような話し言葉で平易に書いていることに驚きを覚えました。

おそらくはライターさんの手が入っていて、聞き取りをしながら書いてるのかと思うんですが、自身の感情の変化より性描写の部分が細かいのが、トラウマを感じさせた。

仔細に記録することで体験をただの事実に落とし込もうとしているような印象を受けました。

【小説】アッシャー家の崩壊、黄金虫(ポー

世界のベスト文学100の中から比較的読みやすそうだったポーの短編集。モルグ街の殺人事件が面白かったのでこれも面白いかなと期待してた。

…のですが、どうも入り込めなかった。ただ、自分はアッシャー家の崩壊のような幻想文学より、大渦からの脱出とか黄金虫のような冒険モノのほうが好きだと思いました。

あと訳が違うとまた違うのでは?と思うので別の訳でまた読んでみたいです。

【映画】スキャナーズ、危険なメソッド(2作)

イースタン・プロミスがとても面白くて、気になったクローネンバーグ監督作二作。

ネットフリックスに四作公開されてたので二作見ました。

 

スキャナーズ

冒頭で脳みそがパーンってなるシーンが凄くインパクトが有り、「そうか!思考回路を操って脳みそパーンってさせて戦う超能力者たちの物語なんだ!」って思っていたら、脳みそパーンは冒頭だけで、あとは思考回路操って幻覚見せたり、車誤操作させたりして戦うだけでした……くっ 期待と違う。

でも面白かった。古い映画なんですけど、現代のCG技術で超能力戦争ものとして十分リメイクできそう。脳みそパーンさえなければ、ホラー映画扱いもなさそうですね。

どうでもいいけど、ラスボスがジャックニコルソンにしか見えなくて、出演者一覧を確認したものの名前がなくて、うーんってなったら、カナダのジャックニコルソンと評された別俳優さんでした。皆ジャックニコルソンって思ったんだね…。

 

危険なメソッド

フロイトの後継者と目されていたユングが、一人の女性に出会い、彼女の影響で性衝動についての理論を発展させていくうちにフロイトと決別して……という伝記映画。

が、伝記映画どうこうよりユングと女性患者(愛人)とのSMプレイに目が点になった。

真面目なあらすじとタイトルが噛み合わないなーと思いましたが、たしかにこんなプレイに興じなきゃならん方式は危険だね!

真面目な映画だし、あらすじも好みな映画なんですが……自分に精神医学の素養がまったくないためか、どうも入り込めなかった。今更だけど、キーラ・ナイトレイはほんとに胸まっ平らですね。

【映画】獣は月夜に夢を見る

【概要】マリーは海辺の寂れた村で、病気の母と父と三人で暮らしている。病気の母は村人たちから忌み嫌われており、それは同じ病気を持つマリーも同様だった。病気がまだ発病していないマリーは、母の看病をする父に代わって働きに出るが、職場で執拗ないじめを受ける。ただ一人ダニエルという青年だけがマリーをかばい、マリーは彼と恋仲になる。

だが、マリーは自分がいずれ発病し、母と同じになることを感じていた。マリーはダニエルを呼び出し、母と同じ化物になる前に抱いてほしいとダニエルに迫る。ダニエルはマリーを受け入れ、二人は結ばれる。その時マリーの背には発病の兆候である獣の毛が生え始めていた。

マリーの父はマリーに発病を遅らせる薬を注射するように迫る。マリーは注射を拒否する。マリーの父親は医者と協力して、力づくでマリーに注射をしようとするが、マリーの悲鳴を聞いた母親が化物の力を取り戻し、医師を噛み殺してしまう。マリーと父親は医師の死を隠すが、村人たちは医師が行方不明になったのはマリーの母親が化物に戻ったからだと察しをつけ、マリーの家族を執拗に監視するようになる。マリーは村人たちの視線を感じながらも、普通の暮らしを続けようとするが、数日後、母親が自宅の風呂場で死んでいるのを発見する。自殺か他殺かはわからないが、マリーは村人たちの殺意を感じるようになる。

父は村人たちに近寄らず、ずっと家の中にいるようマリーに促すが、マリーは村から逃げたいと考え、村の中を散策する。村人たちは夜中に一人になったマリーを襲撃する。命の危険を感じたマリーは化物の力に目覚め、襲ってきた村人を噛み殺す。それを見ていたダニエルは、マリーを匿い、一緒に逃げようとする。

だが、逃げようとした時、マリーは村人たちに連れ去られる。村人たちはマリーと共に船に乗り、彼女を沖に沈めようとする。マリーは再び化物になり、自分をさらった村人たちを殺していく。

その時、マリーを助けるために同じ船に乗り込んだダニエルが現れる。ダニエルは化物になったマリーを恐れず抱きしめ、マリーは人間の姿を取り戻す。

 

【感想】

結局マリーって何者なの???

見終わった直後の感想。ジャケットとタイトルに惹かれ、前情報一切入れずに見終わったら上記の感想が真っ先に浮かびました。

批評サイトやレビューサイト、映画公式サイトを見たら『人狼』だそうで……。

えー、映画内で人狼って分かるのこれ?? 私はわからなかったよ!

 

というか、人狼というネタバラシを知ってから映画を振り返ると、村人たちはマリーの母親が人を食い殺す人狼だと知っていながら、私刑も拘束も追い出しもせず、子供作らせてから、薬で廃人化してフル介護援助したわけですよね。随分やさしいなおい!!

普通、自分らの村の男が「人殺す人狼だけど結婚するんで連れてきましたー 将来同じように人狼になる娘もいるけど、薬で廃人化して管理するんで協力よろしくね! テヘペロ☆」ってきたら、問答無用で追い出すよね……。何普通に村で暮らさしてるんですか。あと、人狼になるってわかってる娘をよくいじめられるよね! いびってる最中に殺されるとか考えないの? 馬鹿なの??

あ、連れてきた云々は父親が普通の人間っぽいから、そこからの推測です。

おそらく村人たちは、男だけは普通の人間で、村人でもあるから、よそから人狼連れてきたのを許して廃人化だけでオッケーにしたのかと思うんですが……でも温いよなあ。母親が医者殺した後、牙だの爪だのチェックして、人狼のあんたが殺したの分かってんのよ!ふんがー! ってなるが、そんだけ人狼を警戒するなら初めからいれるなよ、と。というか、チェックする前に襲撃するんでいいだろ……。

映画の途中まで、てっきり父親が村人たちに奥さんと娘の病気を隠してるんだと思ったから、奥さんが医者殺した後、村人たちは元々正体知ってたよって分かってすっごい違和感ありました…… そして無理があると思った……。

正体を隠し続けたんだけど、とうとうバレてしまって逃避行、って流れのほうがわかりやすいと思うんだけどなー。

正体を知られつつも廃人化して…って流れはよくわからない。というか、父親は娘が出来たら、いずれ廃人化して管理しなきゃなんないの分かってただろうに、何故奥さんと娘を設けたんだ。殺されてもいいから奥さんといたい、奥さん愛してるって言うなら、奥さん廃人化させて二人で暮らせよ。娘を作るなよ。村人を巻き込むなよ。

 

異種婚×舞台現代、大好きなので、とても期待して見たんですが、見終わったあと「90分でよかった…」ってホッとしてしまった。

主演女優の存在感が素晴らしいし、雰囲気もいいんですが、内容が…ツッコミどころ多すぎー。

主演女優さんはこれがデビュー作らしいから、次作を期待しています。

 

 

 

 

【小説】犬恋花伝  (湖池ことり)

コバルト文庫新人さんの新刊。詳細は特集ページを見たほうが早いと思うので割愛。

犬恋花伝特集

いやー、面白かったです。

花を食べ、人に化ける犬、という設定はとても美しく幻想的なのに、それでいて現実の犬の愛らしさを兼ね備えているというギャップがたまらないです。

花や自然の描写がどこか素朴で牧歌的なのも世界観を引き立ててて素敵です。

 

設定に心惹かれる人は読むといいと思う。犬は可愛い!!!

 

 

【映画】リリーのすべて

EUFilmDaysにて鑑賞。

【粗筋】画家のアイナーは中性的な美貌を活かし、女装姿で妻ゲルダの絵のモデル「リリー」になっていた。しかしリリーになることを繰り返す中で、アイナーでいることが苦痛になり、妻ゲルダとも不仲になっていく。アイナーは自分が女性だと証明するために精神科医を回るが、多重人格や妄想障害の診断を下され、心身ともに弱っていく。アイナーの身を案じたゲルダ精神科医ではなく婦人科医のもとへリリーを連れていく。アイナーと同じ症状の患者を見たことがあるその婦人科医は、手術すればリリーの身体を女に戻すことが可能だと告げる。リリーの手術は成功するが、術後の出血が止まらず、リリーは死亡する。だが、死の間際、リリーはゲルダに本当の自分に戻れたと告げて微笑む。ゲルダはリリーの死後もリリーをモデルにした絵を描き続ける。

【感想】

主演男優の女装姿が公開時は話題になっていたイメージがあるのですが、映画を見たらリリーよりリリーの妻ゲルダの方が印象に残りました。

愛する夫が目の前にいるのに、夫ではなく女として扱わなければいけない、夫は死んだ者と思わなくてはいけないという辛く哀しい女性を強く美しく演じてると思います。

目の前の夫を夫として愛してはいけない苦痛の中で、夫の親友にすがりそうになるシーンがとてもぐっと来ました。縋ろうとするんだけど、振り切ってリリーの元へ帰るのが強い女性だと思います。

ゲルダに比べるとリリーは自分勝手だなとちょっと思ってしまう。自分自身になれない苦痛をずっと抱えてたとはいえ、それを愛してくれた女性を否定している気もする。

展開が早く、最初から最後まで中だるみなく、一気に見れました。

いい映画…だと思うんですが、映画を見終わったあと原作を調べたら、映画のもとになった話ではリリーの体内に女性器があったとわかり、ええええっと驚いています。映画ではリリーの身体が生まれつき女性だった点には全く触れてないのです。

これ、結構重要なところだと思うので何故削ってしまったのか分からない。リリーが受けた手術も一から男性を女性にするのではなく、体内にあったものを復元するというものだったようで、他の人には出来ないようなのです。

婦人科の下りで女性器があることを明かしても問題ない展開だと思うので、この省略が残念です。