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四つ折り

shimaaaadaのブログです。漫画、映画、食べ物、小説などについてつらつらと書いています

【小説】金魚繚乱(岡本かの子)

【粗筋】

崖下の金魚屋の息子、復一は崖上の豪邸に暮らす資産家の娘真佐子を恋い慕っていた。だが、自尊心が邪魔をして自らの気持ちを彼女に伝える事が出来ないまま、彼女は他の男と結婚してしまう。他人の妻となった真佐子への思いを軸に、復一は金魚作りに執心していく。真佐子を越える美しい金魚を求め、奔走する復一は、次第に人から畏れられ、また、復一自身も他者を疎み社会から孤立していく。

やがて月日が経ち、復一は自らの望んだ金魚を手に入れる。その金魚は、繁殖に失敗した堕魚の中から、復一の知らぬ間に生まれていたものだった。

【感想】

青空文庫でハマっていた岡本かの子作の一つ。

今まで20頁前後の掌編しか読んでいなかったのですが、これは160頁前後の短編。出てくる単語に読みがわからないものや意味が取れないものがかなりあって、読みながら五六回辞書引きました…電子書籍はクリック一つで辞書呼び出せるのが便利ですが、自分の頭の足りなさが顕になるのが情けないところですね。

でも、そうして読み切るかいのある面白さでした。

つまるところ、失恋をバネに芸術に没頭する男の一代記、なんですが、何でこんなに面白いんだろう……。真佐子へ素直に告白出来ずに厭味ったらしい手紙を送る下りとか鬱陶しすぎるのに何故か面白い。

最後に出てくる世にも美しい金魚の姿、見てみたいですね。