四つ折り

shimaaaadaのブログです。漫画、映画、食べ物、小説などについてつらつらと書いています

【小説】忍ぶ川(三浦哲郎)

【粗筋】

六人兄妹の末っ子の「私」には、自殺した兄一人と姉二人、逐電した兄一人、盲の姉二人がいた。私は兄妹たちと私を繋ぐ血を呪いだと感じ、疎んじていたが、しのという女性に出会い、彼女と愛し合うようになったことで、その血の呪いを破り、生を謳歌することを決意する。

【感想】

三浦哲郎私小説芥川賞をとった代表作「忍ぶ川」を表題作とした短編集。

私は三浦哲郎さんは、子どもや家族が題材の短編しか知らなかったので、まさか代表作が私小説で、しかもこんな生立ちだとは知らなかった……。

私小説だから、どこまで事実で、どこまで脚色されてるから分からないんですけど、逐電した次兄との最後のやり取りや、神経質な長兄との食卓でのやり取りが印象的です。

また、盲目の姉二人に抱く哀れみと恥ずかしさの入り混じった感情が、私には知り得ないもので矢張り印象に残りました。

亡くなる直前の父親の口に脱脂綿を突っ込んで痰を絡め取る描写が、自分の仕事がちらついて読んでて辛かったです。