四つ折り

shimaaaadaのブログです。漫画、映画、食べ物、小説などについてつらつらと書いています

【小説】星の子(著:今村夏子)

【粗筋】体の弱いちひろのために、ちひろの両親はカルト宗教に傾倒するようになった。親戚には絶縁され、ちひろの姉は両親を嫌って家を出た。ちひろも成長するにつれ、両親の行動や格好が世間と違うことに気づいていく。高校受験を間近に控えた中学最後の年、絶縁していた親戚がちひろを引き取りたいと申し出る。ちひろは叔父たちの申し出に答えを出せないまま、両親と信者の集会へ行く。集会では娘と同じような立場の子供たちが集まっていた。ちひろは彼らとお互いの近況を報告し、集会が終わった後両親と三人で星を見た。

 

【感想】

面白すぎる。

 

 

なんなんだろうこれ。なんなんだろうこれ。なんなんだろうこれ……!

前二作もそうだったんだけど、粗筋だけだと特に心惹かれる部分はないのに、読むとやめられなくなり、読後忘れられなくなる。

「こちらあみ子」も「あひる」も所謂普通から少し外れた世界を書いた短編だと思うんですが、切り取り方が独特というか……。外れた対象そのものの視点から書かれてるところがすごいと思う。

 

この星の子は、粗筋だけだとカルト宗教に傾倒する両親とそれに苦しむ子ども、という話だし、実際そう書かれた場面もあるけど、それ以上に、娘は両親に苦しんでいるけど、憎んではいない。という話だと思う。

この物語で書かれているのは、宗教が人を狂わせるよという悲劇ではなくて、狂った相手でも血縁の情は変わらない、という歯がゆいやさしさなのだと思います。

コミックエッセイで「カルト村で生まれました」って本があったけど、それもカルト村での狂った日常を淡々と書いてあって、読後感がこの本に似ていた。(というか、この本の元ネタなんじゃないか…?)

 

次作も読みます。好きだー。