四つ折り

shimaaaadaのブログです。漫画、映画、食べ物、小説などについてつらつらと書いています

【映画】ファニア歌いなさい

Netflixにて視聴。

Playing for Time | Netflix

 

セピア色の作品紹介カットが気になり、タイトルを調べたらアウシュヴィッツ実話モノのテレビ映画で原作、ビデオ版共に評価が高かったので見てみました。

現在はビデオ、原作ともに日本では廃盤になっているようですが、見終わった後、もったいなさ過ぎる…とため息が出ました。

 

第二次世界大戦家のアウシュヴィッツで、ドイツ人兵士、将校の慰労のために演奏会を行っていたユダヤ人女性の話です。

タイトルのファニアは主人公で、収容される前は有名な歌手。

オペラが歌える、編曲が出来るということで急遽労働者から移動となり、歌手として他の女性達の指導役に当たった女性。この人の自伝が原作。

 

演奏会といってもファニアと指揮者、ファニアの友人女性以外はほぼ素人で、技術もまちまち。にも関わらず聞き手であるドイツ人将校には音楽の分かる人がいて、常に技術の底上げを求め続ける…という過酷な状況な中でのもの。

その上、指導役の指揮者は芸術家としてのプライドと、奏者たちの生き残りがかかっているという危機感があり、奏者たちに辛くあたる。奏者たちも、演奏技術の高いもの、拙いもの、ユダヤ教の熱心な信者、元レジスタンス、兵士の愛人…とそれぞれ立場が違い、同じユダヤ人でありながら、決して一枚岩になれない。

演奏を続けても開放されるわけではなく、練習している窓の外では同胞が肉体労働に明け暮れ、死んでいく。

アウシュビッツ題材の作品が見ていて辛いのは当たり前なんですが、この作品はファニアの視点によってどのユダヤ人もドイツ人も贔屓目なく描かれ、同じユダヤ人同士でも諍いがあったこと、ナチスの中にも人間味をみせるものがいたこと、などが分かるのが印象的です。

演奏会の合間には必ずといって実際の戦時中の映像が挟まれるという演出も、これが実話なのだという恐ろしさを底上げしていました。

セピア色の映像で、髪型も全員同じなため、人物を見分けるのに冒頭苦労しましたが、そこからはエンディングまで目を離せない内容でした。

 

日本では原作が絶版で、DVD化もされていないのが本当に勿体無い。

 

Netflixに入ってる方は視聴してほしいし、入ってない方もこの作品のために視聴していいレベルだと思います。