四つ折り

shimaaaadaのブログです。漫画、映画、食べ物、小説などについてつらつらと書いています

【小説】マゼンダ色の黄昏(著者:榛名しおり)

祝!!!榛名しおり新作発表!

祝!!!榛名しおり作品電子復刊!!!

いやーめでたい。とてもめでたい。

私は成人してから少女小説にハマり、主に図書館を使って少女小説Cobalt講談社ホワイトハート、角川ビーンズ)を読んでいたのですが、榛名しおり先生作品はその中でも1番ハマった作品でした。

しかし悲しいことに図書館では読めても既に廃版。

作者にも出版社にも売上収められないし人にすすめるのも難しい……、で、電子復刊されないかなされないかな〜とずっと思っていたのですが、やっときました!

「マリア〜ブランデンブルクの真珠〜」

「マゼンダ色の黄昏〜マリア外伝〜」

「ブロア物語〜黄金の海の守護天使〜」

上記三作!

Amazonのレビューなどで最高傑作ともたびたびみる「マゼンダ色の黄昏」が復刊したのはとても嬉しいですね。あくまでデビュー作の外伝だから、2作セットで読まないと面白さ半減しますが、ちゃんと2作同時復刊なので一緒に読めた!素晴らしいです。

個人的に一番好きなのは「王女リーズ〜テューダー朝の青い瞳〜」なんですが、それは次回以降の復刊かな…。とりあえず出版社には手紙を出すので他作品の電子復刊も心からお願いします。

榛名しおり作品の魅力については、私の下手な語彙力では伝わらないので、個人的に全作品で1番美しいと思われるシーンをまるっと引用したいと思います。

ここの場面がぐっとくる方は全作読むのオススメします。

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 エルザはますます刺し刺繍の腕を上げ、優雅な絹の袋ものを作っては、周囲にプレゼントして喜ばれていた。だが、自分の手元にはたった一つの小さな匂袋しか残さなかった。それも、中身のポプリをなかなか詰めてしまおうとしなかった。

 公国の政治におけるエルザとフランツの働きが重要になるにつれ、その小さな匂い袋のバラ枕は、ふくらみをほんの少しずつ増していく。

 ある日ユリアはようやく気づいた。

(これは──若様が触れたバラなのだ)

 片方の手のひらにのってしまうバラ枕の、そのあまりにはかない量、切なくなるような軽さ。

 ハプスブルク家の高貫な姫君が、フランツが一瞬触れただけの花びらを集めては乾かし、そっと絹袋に秘めているとは。

 それからもエルザは、公務にかこつけて、機会あるごとにフランツを庭園に呼び出した。

 フランツは咲き誇るバラの一輪にエルザを重ねていとおしみ、エルザはそのバラの花びらにフランツの体温を求めて手の中に抱いた。

 ユリアはただ呆然と見入った。

 えも言われぬ立ち姿──何がエルザをあれほど美しく見せるのだろう。

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「マゼンダ色の黄昏〜マリア外伝〜」より引用。